横浜駅近くで寿司をいただく機会があり横浜駅に降り立ったのですが、地方民としては横浜といえばみなとみらいか中華街なわけで・・・。
比較的年齢層の低めなにぎやかな駅前を通り抜け「鮨 七海(なのうみ)」に向かうのでした。
駅前の大きな映画館の入ったビルの向かいから地下へ。
正直言ってこの周辺は若者が多く騒がしい路地なんですが、地下へ降りてエレベーターの扉が開くと急に静かで落ち着いた空間になる。
店内は白木の大きなL字型カウンターがあり、個室も何部屋かある。ビルの入口からは想像できないほどに明るく上品で広い空間に驚いた。
運良く、大将が調理をするすぐ前に案内してもらったので、調理の合間に大将の色々な経験話を聞きながら、今回は「おまかせ握りコース(14,800円)」をいただきました。
まずは先付けとして旬菜3点盛り。気仙沼産 鰹の藁焼き、白胡麻豆腐、柿バター。
鰹は戻りガツオとしてはちょっと旬を過ぎていましたが、脂ののりも素晴らしく焼き藁の香ばしい香りがとってもいい。そしてなにより柿バターの上品な甘さと塩味で一気に食欲とテンションが上ってきた。
続いてあん肝の生姜煮。ふわっととろける旨味のあん肝は生姜の香りが効いていて生臭さは一切ない。これは日本酒がなきゃ・・・。
というわけで、高知県 酔鯨酒造の「酔鯨 特別純米酒 しぼりたて 生酒」。精米歩合55%の純米酒ながら華やかでフレッシュ、それでいてすっと切れる後味で魚との相性良し。
いよいよ握りがスタートです。最初は鳥取県産の「赤イカ」。むちっとした歯ごたえながらサクサクとした歯切れの良さでとっても甘みが強い。藻塩とすだちでスッキリとした味わい。
1貫目からここの寿司のクオリティの高さがわかる。
次は「縞鯵」。青魚特有の臭みもなく、張りのある身と赤酢のほのかに温かい酢飯とのバランスがめちゃくちゃいい。
対馬産の「くえ」の握りがめちゃくちゃ美味しかった。
ギュッとした歯応えで脂の乗った甘味ある白身が噛むほどに口の中に旨みが広がる。
ここで刺身の盛り合わせ。青森県産の「メジマグロ」と長崎県産の「メダイ」の昆布締め。
メジマグロってちょっと水っぽくて旨味の少ないイメージだったけどこれは違った。あっさりめではあるけど旨味もしっかりあり脂の乗りも程よい。メダイは昆布の旨味をしっかり纏っていてねっとりと熟成された美味しさ。
この日一番の握りといっても過言がなかったのは青森県産の「ヒラメ」。程よい弾力でコリコリとした歯ごたえと白身魚とは思えないほどの濃い旨味。前に八戸で食べたヒラメ丼を思い出した。
長崎県産の本マグロの「中トロ」。しっとりとした赤身と脂のバランスで、言わずもがな安定の旨さ。
茨城県産の「真鯛」はサッと炙ってスダチをキュッと絞ってある。淡白になりがちな真鯛も風味豊かな赤酢の酢飯とスッキリとしたスダチの酸味で淡い鯛の旨味が引き出されている。
次のお酒は山形県 亀の井酒造の「スーパーくどき上手 Jr. 備前雄町30%」。
雄町らしさが十分に出ていてフルーティで芳醇。
ここで焼き物「鰆の醤油バター焼き」。
鰆は水っぽさを感じること無くふわっふわ。濃厚な醤油バターは淡白な鰆をワンランクアップさせているだけでなく、レンコンやサツマイモにもとっても合う。美味しいなぁ。
握りに戻って長崎県産の本マグロの「大トロ」。脂ののりはさすが大トロ。でもしつこくなくとろける美味しさ。
岩手県産の「生帆立貝」はやっぱり解凍物とはぜんぜん違う! 貝柱の繊維が解けるサクサクとした歯ごたえは生ならでは。甘味と旨味がとんでもなく、爆発的に美味しい。
生の車海老をその場でサッと茹でた「茹で車海老」。絶妙な熱の通し方でレアに近い茹で加減はしっとりと甘みが際立つ。頭の味噌部分も残してあるので口いっぱいにエビの甘さが広がる〜。
三重県 清水清三郎商店の「作 NOUVEAU 純米大吟醸」があったのでこちらもいただき。作の新酒を今年も飲めたぁ。
最近はフランスなど欧州で各種の賞を取っている作だけに、白ワインのようにスッキリとした軽い酸味が寿司にもあいますねぇ。ワイングラスで飲みたかった。
金色の小鉢には握り一貫分ほどの酢飯を使った小さな「ねぎとろイクラ丼」。その日のマグロの脂の乗りを確認しながら大トロ、中トロ、赤身をバランスよく選んでたたき、その場で作る「ねぎとろ(正確にはねぎとろって言わないんだろうな)」はとろける美味しさ。小粒ないくらもプチプチと美味しい。
ここでウニの食べ比べです。
まずは手巻き風にしたロシア産の「ムラサキウニ」。ウニの味が濃い!甘い!海苔の香りもいい。
こちらは軍艦ではなく握りにしたロシア産「バフンウニ」。こちらも甘いんですが、ムラサキウニに比べるとスッキリとした旨味。海苔を使わないのはこの優しい甘みからなのか。
蒸し物は「湯葉とズワイガニの茶碗蒸し」。蟹の身の量がすごい!卵液の中には湯葉とお麩が入っていてもちっとふわっと食感も楽しい。
手で持つのも崩れそうで怖いほど柔らかな「煮穴子」は口に入れた瞬間に溶けてなくなった!
細巻きなのにとっても具だくさんな「干瓢巻き」でお寿司はラスト。干瓢巻きってなんだかホッとする味ですよね。
カステラかと見紛うばかりの「玉」は、クレームブリュレのように表面がキャラメリゼしてあります。パリッとしてからとろける〜。
最後にデザートの「わらび餅」をいただいて本日のお料理は終了。
男性でもしっかりとお腹いっぱいになる量と、様々な料理に触れてきた大将が辿り着いた削ぎ落とした寿司の美味しさで満足度はかなり高い。お値段は決して安いものではないけど、また来たくなるかなりおススメできるお店ですね。
4人用の個室がいくつもあって、つなげることもできるので小さなグループの接待や忘年会なんかにも使えそうですね。
がんばって仕事してまた来ようっと。
鮨 七海
神奈川県横浜市西区南幸2-6-2 ルミノス横浜ビル B2F
050-5595-9525
営業時間:11:30〜14:00 17:00〜23:00
定休日:不定休