東京に転勤になったN氏から、ぜひ連れていきたい店があると誘われて西大井へ。(慣れていないから大井町で降りてしまってバスで向かった。)
どこにでもある住宅街の赤ちょうちんなんだけど、これが酒も料理も絶品揃いなんです。
大井町からはバスで20分ぐらいかかったけど、西大井駅からなら歩いて5分ほど。外観は何でもない昔ながらの居酒屋って感じです。くたびれた暖簾がなんとも味がある。
カラカラと引き戸を開けて中にはいると、細長い店内いっぱいに伸びるカウンター席。その後ろに数組入れるぐらいのテーブルがあります。「昭和な感じ」って思ったけど、これからは通じなくなるワードかな?
まずは刺身5点盛り。本マグロ、メバチマグロ、クジラ、シャコ、瓶うに。台風の影響で入荷も少ない時だったにもかかわらずこのラインナップですよ。
滋賀県 平井商店 浅茅生(アサヂヲ) 特別純米原酒
滋賀のお酒は色々飲んできたけど、浅茅生って初めて飲んだ。スッキリとして料理を邪魔しない旨味。こりゃいいな。
秋田野菜のおつまみ3種盛り。むかごと桜エビの炒め煮、ピリ辛じゃこピーマン、ミズの実のおひたし。
ミズって秋田に自生する山菜で実の部分はむかごみたいに翌年の種になるものらしい。シャクシャクとした歯ごたえにちょっとした粘りがある。どれも酒のつまみに最高じゃないですか。
柿と生ハムのタイ風サラダ。生ハムメロンならぬ生ハム柿にドレッシングはスイートチリソースベースで甘辛い。
千葉県 飯沼本家 きのえね 純米無濾過生原酒 直汲み瓶囲い
これまた飲みやすいお酒だ。ご主人がこだわりを持って出しているだけあって自分の料理に合うお酒を揃えているんですね。
トリッパとかぼちゃのスパイス煮込み。えーっと、ここって赤ちょうちんな居酒屋でしたよね?こんな料理が出てきていいんでしょうか?(笑
柔らかく煮込まれたトリッパにカレー風味のスパイスがベストマッチ。こんなにスパイスが強いのに日本酒にも合うなんて。
特上和牛ミノやわらか焼き。手のひらほどの大きなミノを焼いてから切っていて、焼肉屋のミノのようなコリコリした食感はなく、サクサクと柔らかい。
ここらでちょっと口の中をリセットしたくて、蕎麦と三つ葉の本わさび和え。
そうこうしていたらN氏の友人である、山口県の酒蔵「雁木」と新潟県は佐渡島の酒蔵「北雪」の営業さんがやってきた。来年に日本一周することを伝えると、ぜひ蔵見学に来てくださいと。ラッキー♪
しかも、お店に北雪 純米原酒をお土産に持ってきたのでと一杯ご馳走してくださいました。
年季の入った焼台で焼いてくれたのは店の売りでもあるもつ焼き。先程の和牛ミノもここで焼いている。
炭火で焼いているから香ばしく、中まで柔らかく火が通っている。
本ししゃもの塩焼き。日本一周したときに北海道の鵡川町で食べた本ししゃもを思い出すなぁ。これを食べるとカラフトシシャモは食べられなくなっちゃいますよ。
〆の一杯は「ヘベス」サワー。ヘベスとは平兵衛酢と書いてかぼすの一種。ちょっぴり苦味がある酸味でスッキリ美味い。
いやぁ、こんなに美味しい料理が揃う店は珍しいよ。最初はちょこっと飲んで次の店にハシゴしようと思っていたけど、メニューに載っている料理が全部食べたくなってしまう・・・。
住宅街の小さな居酒屋なのに予約必須な人気店なのも頷けるなぁ。
もつ焼きと鮮魚 炭火焼 とりいち
東京都品川区西大井2-17-18
03-3777-5013
営業時間:17:00~23:00
定休日:日曜(祝日は営業)