家に帰るまでが旅行です。


2月27日22時45分。生ぬるい空気に包まれた那覇空港に到着。
この時はまだこれから起こる悪夢に気付いていなかった…。

いつもよりスムーズに荷物を受け取り、タクシーを捕まえ自宅へと急ぐ。
11時をまわりメーターの「2割増」の表示に多少ムッとしながらも見慣れた景色に安堵の表情を浮かべる。
自宅前に着き、妻は近くの自販機にお茶を買いに。オレは最後の階段を上っていく…。
お互いに「おつかれさまー」といいながらカギを取り出そうとカバンのポケットを探る…が!ない!
入れたはずのポケットに入れたはずのカギがない!

別のところに入れて忘れている?そんなはずはない。一昨日の夜はそこにあるのを確認しているんですから。
玄関前でトランクをひっくり返して中を確認するが見あたらない。
妻に預けた?それもない。下手に場所を変えると忘れてしまう性格なので一度入れたら変更しないようにしている。
妻もオレのカバンをくまなく探した。
二人してすべての場所をチェックしたが見あたらない。

探すのを諦めて鍵屋を呼んで開けてもらおうと104に電話して何件かピックアップして掛けてみたけど、「会員制ですのですぐには伺えません」とか「(眠起きのような声で)今日は忙しいので伺えません」と愛想のない返事ばかり。
やっと来てくれそうな店が捕まったその時に新たな事実が。
「横向きに差し込むカギはピッキング対策されていますので壊すことになりますが?」
うぅ。それはマズイ。
開けられれば部屋の中に合い鍵があるのは分かっている。それに残り1ヵ月もないのにそんなところで修理代取られるわけにはいかない。

この日に部屋にはいることは諦めざるを得なかった…。

携帯電話のアドレス帳からタクシーを呼び、げんなりしてる妻をなだめてみる。
正直、スマンかった。

タクシーに乗り込み安いビジネスホテルに向かう。県外に行ったときによく利用する「スーパーホテル」だ。
あそこなら安いし、ネットもあるので仕事のメールぐらいはチャック出来る。
アパートの管理会社へも比較的近いので朝イチに行ってマスターキーを受け取る予定だ。

タクシーに乗ってから何も指示することなくホテルの前に到着。
これで一安心とロビーへ向かうと「本日の営業は終了いたしました」の札が下がっている。
下には営業時間0:00までと。
ふと携帯電話で時間を確認すると0:07分。タクシーに乗っている間に0時を回っていたようだ…。
また一つ力が抜ける。

この付近で空いてそうなビジネスホテルは…東横インぐらいか?
今話題のあのホテルだ。多分空いてるだろう。
でも、念のため携帯でググって電話しようとすると、今度は携帯電話が充電切れ。どこまでツイてないんだ!
妻に携帯を借りて電話すると明るい女性の声で元気な応対。何となく救われた気分。
部屋も空いているようなので歩いてホテルに向かうことに。
一段と重く感じる荷物を引きずり10分ほど歩いてホテルへ到着。疲れた…。

0時を過ぎてシンデレラなんとかってプランで安くなっていたのがせめてもの救いか。
シャワーを浴び、ベッドに倒れ込むように夢の世界へ…。

午前8時30分。アパートの管理会社のオープンと共に電話をしてマスターキーを受け取る手配をする。
すんなり了解を得てまずは腹ごしらえ。
近くのガストでモーニングセットを食べるデカイ荷物を引きずって観光客のような格好の怪しい二人。
食事をして気分的に落ち着いた感じだ。
タクシーに乗り込み管理会社経由で自宅へ急ぐ。
管理会社では身分証明をして連絡先を記入。「マスターキー貸し出しリスト」と書かれたファイルには連日名前が並んでいる。
無くして借りに来る人が結構いるようだ。自分だけでなかったと変なところで納得(笑

長い旅行もこれで終了と借りてきたマスターキーでカギを開け、自宅へ。やっぱりホッとする。
落ち着くまもなく午後からの打合せのために資料をまとめ、出かける準備をする。
カバンから手帳を取り出そうと手を突っ込むと…あるじゃん。カギ。
昨夜、二人して探しまくったあのポケットに普通に入っていた。

愕然とする…。

今までの出来事はなんだったんだろう?
あんなに探しても見つからなかったのに。
まぁ、見つかったしカギを壊すことなく済んだので良かったとするしかないな。

ホントに長い長い旅行だった。

Posted: Tue - February 28, 2006 at 10:01 PM  |   |   |   |  このエントリーを含むはてなブックマーク  | ランキングを見てみる
 




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